同位体環境学がえがく世界

同位体を使って
みんなで行っていること

忍野八海の水はどこからきているか?
みえない地下水の流れを知りたい

山梨県忍野村

行政側の担当 山梨県忍野村役場 平成28年度~現在

忍野村にある「忍野八海」は世界文化遺産に登録された地域の宝です。住民は忍野八海を守りたいと思っています。

しかし、八海の地下水面が高いため、雨が降ると地域住民は不安に思っていました。そこで排水路を適切な場所に設置するための「地下水流動調査」を始めました。

八海の地下水の流れを知るために、
実際にはさまざまな水を採取し、元素濃度や同位体を測定しています。
(現在もデータ蓄積のため採取継続中)

忍野村では中間報告のシンポジウムが開催され、
村民の関心・協力をもらいながら現在も調査を進めています。

©あるがゆう

山梨県忍野村では、地下水保全のために、忍野村役場、村の住民の方々、総合地球環境学研究所の研究者とともに、村内の地下水がどこからきたか(涵養標高)、地下水がどのように流れているか(流動、水みち、水脈)を調べています。

山梨県南都留郡忍野村には、世界文化遺産の構成資産として登録された「忍野八海」とよばれる湧水群があり、地下水が豊富です。

一方で、地下水位が高い地域では、大雨の時に川からの越流が起こるのではないかと、住民は不安に思っていました。そのため、川の水位を下げるための方策として河川隧道の建設案が出ましたが、やみくもに隧道を建設した場合に、忍野八海の地下水脈が切断され、水枯れなどが懸念されました。そこで、隧道建設を検討する前段階として、忍野八海を含めた村内の地下水脈(地下水の流動)や同位体などを用いた地下水の年齢・起源を知るための調査が行われています。2018年1月には、忍野村で中間報告のシンポジウム(忍野村公開シンポジウム「富士山の湧水と文化:忍野八海」-忍野の水はどこから来たの?-)が開催され、村民や住民の関心・協力をもらいながら現在も調査を進めています。

 

©あるがゆう

担当者の声

山梨県忍野村役場 企画課 O氏

生活に密接している地下水のことを住民に知ってもらうことの大切さを学んでいます。今後は富士山周辺の町村を巻き込んで一緒に調査できたらいいなと思います。

生活に密接している地下水のことを住民に知ってもらうことの大切さを学んでいます。今後は富士山周辺の町村を巻き込んで一緒に調査できたらいいなと思います。

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