同位体環境学がえがく世界

同位体でわかること

エモノの歯からわかった!縄文人の遺跡間交流

縄文人は、さまざまな資源を利用していました。遠い場所に移動してモノを運び、文化や技術を伝播させました。遠く離れた場所への移動だけでなく、食料資源獲得の活動域はどの範囲で、近隣の遺跡とのかかわりはどのようなものだったのでしょうか。縄文人の主な生業のひとつ狩猟活動の範囲を明らかにするため、遺跡から出土したイノシシとニホンジカの歯エナメルのストロンチウム同位体分析を行いました。

各遺跡の狩猟域は、遺跡から5㎞~10㎞の範囲で行われた可能性が高く、15㎞を超えるような場所では行われなかったことが示唆されました。各遺跡は行き来して交流することが可能な場所に位置しますが、狩猟域は異にしていたと考えられます。

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