同位体環境学がえがく世界

同位体でわかること

花咲かクマさんといじわるクマさん?
クマたちの種まきがサクラやサルナシの運命を左右する

地球温暖化が大きな問題となっていますが、自分で移動できる動物とは異なり、植物は自分では移動できません。
しかし、果実を食べた動物が種子を運んでくれれば、次世代はより好適な場所へ移動できるかもしれません。
研究の結果、ツキノワグマなどが春夏に結実するサクラをより冷涼な高地へ運ぶ一方、秋冬に結実するサルナシをより温暖な低地へ運んでいることが分かりました。
これは植物の開葉や結実の季節変化を追って哺乳類が山を登り下りした結果であり、サクラの温暖化適応を助けている一方でサルナシの温暖化適応を妨げていることになります。

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