同位体環境学がえがく世界

同位体でわかること

骨が記憶する過去の生態系

動物の骨を使った同位体食性分析手法は、特定の動物の食べ物が過去から現在までの間にどのように変化したかを調べる上で有用なツールです。
上の図は、北海道に生息するヒグマを対象に、過去数千年間で彼らの食べ物がどのように変化したかを調べた研究の結果です。
北海道のヒグマは、明治時代に入るまでは地域ごとに一定の割合で動物性の食べ物を利用していましたが、開発が活発化した1860年以降、急激に草食傾向へと変化したことが示されました。
これは、人の開発によってサケやエゾシカなどの食べ物が手に入りにくい環境に変化してしまったことが原因だと考えられます。

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