同位体環境学がえがく世界

「大気」の検索結果

天気予報に新情報!「その雪、どこからの雪?」

青森県弘前市は、日本海側の豪雪地帯に位置する、落ち着いた城下町です。日本海側の豪雪は、日本海から蒸発した水を含んだ冬季季節風が、脊梁山脈により強制上昇してもたらされるという見解が一般的です。しかし実際にはそれだけでなく、 …

季節風が豊かな恵みと同時に汚染物質も運んできます

日本では、冬になると北風が吹いてきます。日本の北西方向、ユーラシア大陸のシベリアから吹き付ける冬季の季節風は、私たちに豊かな恵みをもたらす一方で、大陸で発生した大気汚染物質を運んできます。複数の元素の同位体を測定すること …

コケ、3つの元素から大気汚染を語る

東アジアの国々から日本へは、西風にのって大気汚染物質(越境大気汚染)や黄砂が多く飛来し、生態系や健康へ与える影響が懸念されています。そこで、本研究でコケの窒素(N)、鉛(Pb)、ストロンチウム(Sr)の安定同位体比(以下 …

森林のカルシウム不足を火山灰が救う

酸性雨の生態系影響は、欧米では湖沼から魚がいなくなり森林が枯損するといった被害が問題となりましたが、日本ではそのような影響は認められていません。それはなぜかを調べるために、本研究では土壌のカルシウムに注目しています。土壌 …

高山サバイバル術ーハイマツの霧を使った生き方ー

霞を食べて生きていく、という表現がありますが、霧の発生頻度が高い日本の高山帯では、霧を水資源として利用している植物も多いと考えられます。ハイマツ(Pinus pumila)は日本の中部山岳を分布の南限とし、高山の森林限界 …

雨と森林は良い関係?:大気からくる硝酸イオンを追跡する

森林は一般に窒素が植物にとって足りない生態系と考えられています。ですので、降水でもたらされる窒素は森林で使われて(きれいになって)、図中の左のようにほんの少ししか窒素は森林から流れ出ないと予想されてきました。しかし本当は …

メタボ化した森のお残し窒素は、
土地利用・地形を活かしてお掃除! 

福岡市近郊の森林では、大気からの窒素降下物の増加と人工林の高齢化によって、樹木に利用しきれない窒素が硝酸イオン(NO3–)として渓流水に流れ出しています(森林の窒素飽和)。しかし、下流に行くにつれて河川水中の …

COVID-19で変わる都市と街路樹 ~炭素安定同位体による大気汚染ストレス診断~

2020年から始まったCOVID19の流行は産業活動の停滞をもたらしました。産業活動が停滞すると大型車の交通量が減少するので、排出される大気汚染物質が減少し、大気汚染が緩和される可能性があります。街路樹であるヒラドツツジ …

呼び覚ませ!氷河の記憶 -シルクロードの気候変動-

極地や高山に分布する氷河は、過去数百から数万年にわたって毎年雪が積もり重なって形成されたものです。氷河の中に保存された雪の年輪を掘削して得た円柱状の氷の試料を、アイスコアといいます。アイスコアの氷の構成する水の安定同位体 …

日本海に沈む微量金属たちの産みの親は誰?

海水中の微量な金属の中には、海洋に生息する植物プランクトンに必須もしくは毒性を示すものがあります。この微量金属は、岩石の風化・浸食および人間活動による放出によって大陸から海洋へ運ばれ、海水中で粒子となって、海底堆積物へと …