同位体環境学がえがく世界

「歴史」の検索結果

骨が記憶する過去の生態系

動物の骨を使った同位体食性分析手法は、特定の動物の食べ物が過去から現在までの間にどのように変化したかを調べる上で有用なツールです。 上の図は、北海道に生息するヒグマを対象に、過去数千年間で彼らの食べ物がどのように変化した …

何を食べているの?
アミノ酸の窒素同位体からひも解く生き物の暮らし

最近になり、グルタミン酸とフェニルアラニンという2種類アミノ酸の窒素同位体比を測定することによって、生き物の正確な栄養段階を推定できることがわかってきました。この方法は未知の生態系における食物網解析に役立つだけでなく、琵 …

古代の海産魚はどこの海から運ばれたのか?

遺跡から出土する魚骨によって、当時さまざまな魚が食べられていたことを知ることができます。海から遠く離れた内陸部の遺跡でも多くの海産魚が確認され、沿岸部から運ばれたことが読み取れます。しかし、魚骨の形態では産地を明らかにす …

エモノの歯からわかった!縄文人の遺跡間交流

縄文人は、さまざまな資源を利用していました。遠い場所に移動してモノを運び、文化や技術を伝播させました。遠く離れた場所への移動だけでなく、食料資源獲得の活動域はどの範囲で、近隣の遺跡とのかかわりはどのようなものだったのでし …

縄文人の歯が命!?縄文人の集団間の移動を調べる

縄文人は、約16500~2300年前の日本で、狩猟・採集・漁労をなりわいとしていました。社会的な風習として、故意に歯を抜く抜歯風習がありました。歯を抜く二つのパターンは、縄文人の移動と関係があると考えられてきました。この …

現代(いま)と違う!?
古代の犬はどんな餌を食べていたのか?

遺跡から出土する犬骨から、その犬が摂取した大まかな食物(餌)を知ることができます。同じ遺跡から出土する人骨の摂取食物情報と比較することで、過去の人と犬の関わり合いが見えてきます。昔の人々は現代人と同様に何か特定のドッグフ …

リャマとアルパカ ―アンデス文明動物飼育物語―

先スペイン期のアンデス社会では、リャマとアルパカが様々な用途で使われていました。元々は高地高原に生息していた野生動物が、いつ・どのように家畜として広がっていったのか、まだ全容は明らかになっていません。 骨や歯の同位体比に …

トウモロコシが彩る古代アンデスの台所 

古代人の食べ物の推定には様々な方法がありますが、同位体分析を用いると、一人一人の食べた物を調べることができます。ヒトの食物となる動植物は、光合成回路の違いや栄養段階の違いから、異なる炭素同位体比と窒素同位体比を有するいく …

呼び覚ませ!氷河の記憶 -シルクロードの気候変動-

極地や高山に分布する氷河は、過去数百から数万年にわたって毎年雪が積もり重なって形成されたものです。氷河の中に保存された雪の年輪を掘削して得た円柱状の氷の試料を、アイスコアといいます。アイスコアの氷の構成する水の安定同位体 …

海水の由来の変化から日本海の知られざる歴史を解き明かす

海水のネオジム同位体比は、海域ごとに特徴的な値を持っているため、海水のネオジム同位体比を分析することで、海水の移流や海水の混合を化学的に捉えることができます。現在の海洋であれば、ネオジム同位体比を用いなくても、物理観測や …